大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和24(れ)1892 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人田中泰岩の上告趣意は、末尾に添えた書面記載の通りである。

上告趣意第一点について。

原判決の裁判書に、被告人の年齢として「当二十四年」と記載されているのは、

「当三十四年」の誤記であること記録上明らかである。されば、原判決は、所論の

ように裁判書に被告人の年齢を記載しなかつたものとは言えないのであるから論旨

は理由がない。

同第二点について。

被告人に対し刑の執行を猶予するかしないかは、事実審たる原裁判所の合理的な

判断に委ねられているのであつて、たとい所論のような事情があつたとしても、原

審が被告人に対して懲役刑の執行を猶予しなかつたことを目してたゞちに違法であ

ると言うことはできない。されば、論旨は理由がない。

同第三点について。

原判決は、被告人の自白だけで原判示の犯罪事実を認定したものではなく、自白

の外にA作成提出の答申書をも証拠として援用しているのである。そして、右の書

面は、被告人の自白が架空でないことを裏づけうるものであるから、たとい、これ

によつて犯罪事実の全部が証明されなくとも補強証拠として役立つのである。され

ば原審は、被告人の自白を唯一の証拠として有罪としたものではないから論旨は理

由がない。

よつて、旧刑訴第四四六条に従い、主文の通り判決する。

以上は、当小法廷裁判官全員の一致した意見である。

検察官 安平政吉関与

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昭和二四年一〇月二五日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 穂 積 重 遠

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